2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

結城登美雄「地元学からの出発」

舶来品や外来思想をありがたがり、在来の文化を低く見た。これが近代化の過程にあった隣の芝生が青く見えるという人間心理である。戦後教育では、自然と共に村を生きて行くための学びを捨て去り、都市社会の一員になる為の学びに重きがおかれた。そうした中…

吉村昭 「三陸海岸 大津波」

「すさまじい轟音が三陸海外一帯を圧し、黒々とした波の壁は、さらにせり上がって屹立した峰と化した。そして、かい海岸線に近づくと峰の上部の波が割れ、白い泡立ちがたちまちにして下部へとひろがっていった。…波は、すさまじい轟とともに一斉にくずれて村…